世界最初の海底ケーブルは、1851年、英仏海峡に敷設されました。当時の通信は電信でしたが、初めて海を越えての通信が可能となった画 期的なことでした。1866年には、大西洋横断海底ケーブルが完成し、世界の海底ケーブル網は徐々に発達を続けていきました。
1871年、デンマークの大北電信会社が、長崎~上海、長崎~ウラジオストク間に海底ケーブルを敷設し、日本とヨーロッパがインド洋経由とシベリア経由の二つのルートで結ばれました。日本において初めての国際通信が可能となったわけです。
1872年、これら海底ケーブルと接続する東京~長崎間通信路を建設した際に、関門海峡に日本政府による初めての海底ケーブルが敷設されました。
1876年、電話が発明されたことにより、コミュニケーション手段が格段に広がり、1891年には、英仏海峡に世界初の電話の海底ケーブルが敷設されました。
一方、1895年に無線通信の実験が成功し、1901年には大西洋横断無線通信に成功し、海を越えた通信は無線と海底ケーブルの2種類の手段に分かれ、お互いに技術の向上を図っていきました。
1906年、東京~グアム間の海底ケーブルが開通し、対米との電信サービスが開始されましたが、その後、建設費用の安価な無線による電信、電話が伸びてきました。
1964年、初めて太平洋を横断した第一太平洋横断ケーブル(TPC-1)が開通し、その後、続々と太平洋を横断する海底ケーブルが敷設されました。
1967年、太平洋にインテルサットⅡ号が打ち上げられ、日米間の衛星通信サービスが開始されました。
1980年代に光ファイバーによる海底ケーブルが開発され、高品質かつ大容量の通信サービスの提供が可能となり、世界中に一気に光海底ケーブル網が張り巡らされ、国際通信は海底ケーブルが主流となり、現在では日本の国際通信の約99%が海底ケーブルを利用しています。
近年、インターネットの急速な普及により、さらに高速で膨大な容量の通信インフラが求められ、新たな海底ケーブルの需要が高まり、世界的に海底ケーブルの建設が続いているところです。